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【2021年度レポート】【参加者インタビュー】老舗ものづくり中小企業が、今、FUXIONに参加する理由
参加者インタビュー

【2021年度レポート】【参加者インタビュー】老舗ものづくり中小企業が、今、FUXIONに参加する理由

2021年5月27日(木)13:00~16:00に開催されたFUXIONのキックオフセミナー「異知と共に新しい事業の軸を作る。デザイン視点を取り入れ環境変化に即した事業と価値創出」。このセミナーに参加し、FUXIONのWORKSHOPプログラムへ事業者として参加を予定している大正十年創業の老舗合羽メーカー 船橋株式会社 広報 / 新規事業推進ご担当の大谷 真奈美さんが、インタビューに応えてくださいました。

Q:今回キックオフセミナーへご参加くださった背景やきっかけを教えていただけますでしょうか。

「当社では今年(2021年)創業100年を迎えます。その節目に伴い、経営方針やミッション / ビジョン / バリューを明確に設定しようとしています。また新規事業開発に関してもサブスクリプションのサービスを検討するなど積極的に取り組んできました。実は最近、新型コロナ感染症対策として医療用防護ガウンの量産体制整備をトヨタ自動車さんと一緒に取り組んだんです。これをきっかけにこれまでは難しかった大量生産の体制も整い、会社としての強みを考え直すタイミングでした。これらの要素を改めて棚卸をし、デザイン経営などの視点を取り入れたいと考えていたときにFUXIONのことを聞き、参加しました。」

Q:当プロジェクトのことを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

「実は昨年、FUXION事務局の方から参加を打診されていたんです。ただ、そのときは医療用防護ガウンの量産体制を整えることで手一杯で参加が叶いませんでした。FUXIONが今年も開催されると聞き、先ほどお話したタイミングが重なったこともありセミナーに参加しました。」

Q:商品・事業開発ワークショップ「NEXT / XROSS」はものづくり中小企業とビジネスパーソン・デザイナー・デザイン系学生が協働するプロジェクトですが、外部人材との協働に対して不安等はありますか。

「不安はないですね。当社はこれまでにも、新規事業をはじめとしてプロボノやフリーランスの方々と事業を進めてきました。社内の人的リソースが限られる中、新しい取り組みの核となるアイデアができた段階からいろいろな媒体を通して人材を募集し、フェーズに合わせて協働しています。当社は協働の経験がありますが、そういった経験がないものづくり中小企業の事業者さんにとっても良い機会となるのではないでしょうか。」

 Q:キックオフセミナーに参加されて印象的な言葉や学びはありましたか。

「基調講演で高砂電気 浅井さんが出されていた『起承転結人材』という言葉が印象的でした。顧客の要求に応えるに当たり、他の人がやっていないことに興味をもつ『起承』型の技術者の考え方(暗黙知)を形式知にできるように取り組んでいるという内容です。起承転結人材という言葉はオムロンの竹林さんが使われている言葉で、わたしたちも新規事業を進めるに当たり大切にしている言葉です。デザイン経営の文脈と結び付けては考えていませんでしたが、浅井さんの講演を聞き、デザイン経営にどのような姿勢で取り組めばいいのかわかったような気がします。また、設計思想の違いからくる製品アウトプットの違いの話も大変興味深く聞きました。デザイン部門と設計部門だけでなく、開発部門と営業部門など部署間のさまざまな場面で、インナーブランディングが不足しているからこそ発生するすれ違いは起こりえると思います。『自分たちが何を大切にしてきたのか』という問いに答えることで解消できるという事例を聞き、自社でも取り組みたいと思いました。」

Q:FUXIONに期待することはありますか。

「先ほど言ったように、当社は今年創業100年の節目の年を迎えます。そのような中で創業当時の製品のリバイバルなど、今しかできない新規事業開発を検討しています。そういった事業を進めるに当たり、ビジョンの構築から伴走してくれるFUXIONはタイミングとしてうってつけですし、大変に期待しています。」

今回お話を伺った大谷さんが所属されている船橋さんは、これまでも外部人材とのコラボレートを経験されており、創業100年という節目というタイミングを契機としてFUXIONへの参加を検討されていますが、ビジョンの構築から商品・事業開発までを行うFUXIONのカリキュラム設計は、多くの中小ものづくり企業に貢献できる可能性を強く感じました。7月下旬より開講する商品・事業開発ワークショップ「NEXT / XROSS」にぜひご期待ください。

PEOPLE関わった人々

MANUFACTURE
大谷 真奈美
船橋株式会社 社長のミギウデ